死ななきゃOK

死んだ方がいい、死にたくない、いろいろあるかもしれんけど、とりあえず、死ななきゃOK。っていつも言えたらなぁ・・・

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2008.07.01 23:59

 映画『クライマーズ・ハイ』試写会行きましたよ。

 若い人は知らないであろう、史上最大の飛行機事故、日航機123便墜落事故を追った、群馬の地方紙「北関東新聞(架空)」の記者たちのドラマを描いた横山秀夫の小説を映画化したもの・・・・です。NHKで一度ドラマ化されたんですね。全然知りませんでした。

 まずビックリしたのが、試写会会場のアナウンス時間が2時間23分という言葉でしたが(笑)、あまり長く感じない映画でしたね。観てて苦痛なこともなく、物語がエンタメの「お約束」をまったく踏襲しないので(汗)、退屈に感じることもなく、物語に引き込まれてしまいます。

 事故が1985年で、それに合わせたドラマということで、その雰囲気を出すための舞台づくりがしっかりしていましたね。よくこんなもん見付けたなと思われるような、ソニーの留守録システム(よく知らない。ダイヤル電話に繋げて録音するやつらしい)とか、当時の車とか、古さを出すための色合いだとか・・・観葉植物の鉢が現代にしか売ってないだろというデザインのものでしたが(たぶんこれは店で買っただけだからだろう。古くさい鉢だけならホームセンターにいくらでも売ってるが)、目についたのはそれぐらいで、全般的にそういうアラが少ないですね。こういうのは案外、大事なんですよね、「あの時代」に引き込むためにも。
 今はほとんど見かけない、屋上だけ駐車場で、車ごとエレベーターで上がるビル(名古屋だと金山のダイエーがそう)とか、よく見つけましたねぇ。(当時の)目新しいものを建物にやたら取り込もうとするマスコミらしい雰囲気がよく出ていました。

 さて、当の日航機墜落事故っていうのは「あったまあげろー!」というボイスレコーダーの声が有名な、乗客524人中520人が亡くなる(歌手の坂本九も含む)という、史上最大の事故で、その機長さんに至っては遺体の損傷が苛烈(ちょっとショッキングなので反転:五本の歯しか残らなかった)だったことからも、相当激しい事故であったわけですよ。

 ・・・・・というのも今だから言えることで、その当時、わかりやすく言えば、今は誰でも知ってるようなDNA鑑定のない時代なので、その事故についても、「どうしたらいいのかわからない」報道各社の姿勢と葛藤を描いているのがこのドラマの見所になると思います。

 そんな中での、「クライマーズ・ハイ」な状態になる主人公と、実際の山登りと通じて思い出す、その時の「クライマーズ・ハイ」と関連づけて思い出させるというストーリーはなかなかよくできてるなぁと思います。映画としての内容を上げるにはもうちょっとうまい見せ方もあったかもしれないけれど、この作品の場合は原作アリものであるし、何より訴えたいことが「クライマーズ・ハイ」なだけじゃないので、そこはそんなにこだわる必要もないか。

 

 あと、これは私もあとで調べたことなんですが、当時の報道で乗員の過失による事故だというものがあったそうで(それ以前に実際にそう言うのがあったから余計だと思うが)、遺族への電話などのいやがらせはもとより、遺体安置所でのJAL職員への暴行などがあった・・・・・とか、事故調査委員会が出した結論は物理学的な面にばかり固執して、事故の原因とした「圧力隔壁の損傷による尾翼破壊」の時に発生する急減圧がボイスレコーダーや証言を聞いてもなかったことからも、事故原因が必ずしも明確化されていないとかいうことを知っていると、主人公、悠木が、「クライマーズ・ハイ」な状態の中でとった行動が、よく理解できると思います。

 事故時はニュースもよくわからない歳の私からしたら、それを映画に描かなきゃいかんでしょ、とも思ったが・・・・・これがこの事故にまつわるエトセトラを知らない我々世代とスタッフとのジェネレーションギャップかもしれない。そういう意味で、あの事故を忘れられない30より上の世代と知らない20代以下では、ちょっと見方が変るかもなぁ・・・・とか思ったり。

 ちなみにこの件については、情報公開法に合わせて文書破棄を推し進めていた運輸省(当時)の中の人間が、事故を追い続けたパイロット藤田日出男やマスコミにボイスレコーダーが記録されたビデオテープをダビングしたものを多数リークしたから、テレビ放映されて、その内容が世間一般に知られることになり、やっと操縦士およびその家族の名誉が回復されたそうな。それをドラマ風にまとめたテレビ特番はこちら

 

 にしても、こういうのを観てると、中国の地震で中国側の対応の悪さというのもまた、なんでも思想的・政治的にまとめたがる人も多いけれど、何より、対応体勢ができていないからこそ、後手に回ったり、他の人から見て「こうすりゃいいのに」ってことをしないのは、人種や国籍を問わず、「人間」ならすることなんだろうねぇ。

 『クライマーズ・ハイ』の中で主人公悠木と、それにイチャモンをつける編集部や他部の人間とのいざこざも、なくならんってことかもしれない。「クライマーズ・ハイ」ってのは極限状態で恐怖感が麻痺する状態っていう意味だけれど、さしずめ、人間の社会というのも、限界ギリギリの状態になれば、難関の山のように目の前にそびえ立つ、そして乗り越えるべき障壁として変る、ということかもしれない。

 その中で、ハイな気分に乗っかって無責任な行動をしなかった悠木が、最後に少し報われるという映画のラストは、観ている人にひとつの清涼感をあたえてくれると思う。30代以上の人に。
 ちなみに試写会は、株主優待の試写会ということもあり、年輩の人が多かったですね。

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