死ななきゃOK

死んだ方がいい、死にたくない、いろいろあるかもしれんけど、とりあえず、死ななきゃOK。っていつも言えたらなぁ・・・

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2005.07.16 23:23
愛・地球博(愛知万博)の中でも珍しい、企業による共同館、「夢みる山」のなかでも、(主にスポンサーである地元メディアで)目玉といわれているテーマシアター「めざめの方舟」のレビュー。
テーマシアター「めざめの方舟」
(Theme Theater "Open Your Mind")

【概要】
 積水ハウス・中部日本放送(ラジオ・テレビ)・東海テレビ放送・中日新聞社の4社による「夢みる山」のなかのひとつの共同パビリオン。「夢みる山」は他にも日本ガイシ・シャチハタ・ブラザー工業のパビリオンがあるが、それらが隣接しており、夢みる山の名の由来となる富士山のモニュメントのような屋根がそれらをひとまとめにする。「目覚めの方舟」は体感型シアターの一種で、大型ディスプレイとパビリオン内全体に置かれたオブジェを通じて地球環境へのメッセージを投げかける内容になっている。シーズンごとに上映内容が変わる。
 定員:250名
 上映時間:約15分
 場所:企業パビリオンゾーンB
 公式サイト


【観覧方法】
 まず、入場するには整理券が必要(詳細はこちら。7/1~暑さ対策のためということで、4回配布から3回配布に)。
 見る場所はアリーナとスロープの二つ。スロープは出口が階段になっているため、ベビーカーや車椅子利用者は自然にアリーナになる。整理券にて指定されるため、ほとんどの人がスロープになるが、スロープ席で満足する客はほとんどいないので要注意(後述)。スロープもそのままスロープの手すり越しに映像を見るという形体なので、順番どおりにいくと早い人のほうが上の方から見るという恰好になる。アリーナ席は「ください」と言わないとくれないという不親切さもある。


【コンセプト】
 『イノセンス』などを手がけたアニメの鬼才と呼ばれる押井守監督のプロデュースで、狙いは「環境エンタテイメント」ということになっている。シアター名にもなっている「めざめの方舟」というのは、見た人に地球環境への「めざめ」を促す狙いがあるようで、何やら説教くさく、啓蒙くさいもののようにも思えてしまうが、作品の内容はそう言うものとは少し違う。むしろ、「体感」に重きを置いているようで、華美な演出の目立つ映像と音楽で、監督の狙う「非日常な空間」へと連れていってくれる・・・ことになっていますが、見ている分にはおそらくその演出自体に圧倒されてしまい、何が起こっているのか正直わからないパビリオンだとされています。


【構造の分析】
 96台の50インチプラズマディスプレイが目玉のひとつであるが、フレームが目立って一体感に欠けるため、体感型としては少し致命的。美しい映像を飛行船かなにかの窓から見ているように感じて、体感と言うよりは客観という印象が出てしまう。
 特にスロープ席の作りはイマイチの極地であり、擬人像に囲まれていたりとやたら凝ったアリーナ席と異なり、普通の、工夫もないスロープからその擬人像を後ろから見下ろす形になり、映像への一体化は図ることはほぼムリになっているが、それなのにほとんどの人はスロープに回されるという現実がある。大型ディスプレイを地面に配することで、そのディスプレイを隠さない程度の人数しか入れないというジレンマがこのような事態を招いているのだと思われる。
 スロープ席は作りも、配慮も申し訳程度に用意した席、という感じであり、クリエイターには必要じゃなかった席だろうが、これはあくまでも「企業館」なので、ある程度の人数を入れねばならないという現実的素因によって作られた席のような感じがする(クリエイターが忘れがちな現実)。
 パビリオン全体が映像を映し出すスクリーンになるため、そこら中に記号的な映像が映し出されるのだが、その映像が散在しすぎるために、目で追ってばかりになり、体感にはほど遠い。スロープ席は、客観的に映像を見る席であり、CGとか「大迫力の映像」とかが好みでない人は止めておいたほうがいいだろう。
 ちなみに、ショップがあるが、なぜか入口側に配されているので、非常に不親切。


【作品としての評価】
 監督によると、底面に広がる大型ディスプレイとか、その辺に散在する未必的な言えるオブジェとか、宣伝好きの企業が好む「世界初」のタマゴ型スクリーンとか、「企業館」ならではの豊富な資金力を背景にして作られていますが、観ている人に対してそれが意味があることだったのかと少し疑問に感じてしまう作品内容。

 監督の狙いは、「天地が逆転した映像の世界に圧倒される。眠ったままになっている五感を呼び覚ましてもらいたい」「非日常的な空間にあって何かに圧倒されれば人間は謙虚になる」と言っていることからも、映像や音楽を通じて「環境」や「自然」や「生命」というメッセージを体感してもらいたいというところだろうが、たぶんほとんどの人には伝わらない内容となっている。「理解しようとするな!感じろ!」というように考えさせないのが狙いだろうが、体感していて思い湧く感情は「何だこれは!」というものになるだろう。押井守ファン以外にはおそらくちょっと苦痛。また、映像が平面的で、投影する場所やオブジェの立体感とまったくマッチしていない。
 押井ファンならOKという作品であるというのはこのパビリオンを表す上で示唆的だ。つまり、押井作品に対して、めざめの方舟の英名である"Open Your Heart"している人たちなら楽しめるそうである。それがない大多数の人々には、最初からある構えを取り除くだけの工夫はしていないので、見ていても何がなんだかわからないし、わかろうと努力する気も生じない(ガンダムシリーズの途中から見てもわからないみたいなもの)。
 作っている人間や、押井ファン、デジタルAVファンなら、狙いどおりの効果が望めるかもしれないが、ほとんどの人は押井監督を知らないし、アニメフリークではない。いくら地元メディアで「押井監督は世界的に認められて云々」と語ろうと、「めざめの方舟」というタイトルから想像される、観客の心の準備に、作品はあまりに応えてはいない。そう言うことを考えて、もっと、音量を落としたり、華美な演出を避けて、「国際赤十字パビリオン」のように、メッセージを受け入れやすい「心地良い」空間を演出すればもっと「心を開いて」「めざめる」ことができたのではないのか? とも思えてしまう。
 だってこれは整理券まで必要な万博のパビリオンであって、ほとんどの人が、予備知識なしで一回見るだけなんだから。「何回も見ればわかってくる」という押井監督コメントは、厳しい見方をすれば、万博ということを忘れたDVDズレした業界人的発想とも言えるのではないでしょうか? このシアターの内容をDVDで出しているあたり、私の邪推というわけでもなさそうだ。


【余談】
 天上から見下ろす精霊「汎(ぱん)」と呼ばれる人形は、おそらく観ている人への視座を与えようとしたものなのだろうが、顔が三つに腕が三本と、どっからどう見ても「阿修羅像」なので、結局仏教的なんですが・・・とも思う。狙いには西欧的な方舟じゃない、キリスト教的なものじゃない、東洋的なもの、ということだから良いのかもしれませんが、わざわざ「汎」と名づける理由が観ている人にとってはよけいな疑念を思い浮かべさせてマイナスのような気もします。素直に「ASHURA」かなにかにしておけば良かったのだと思えます(「それだとAKIRAに似てるよね」って言われたのか?)
 パンフレットなどの言葉もはっきり言って内容に引き込まれるようなものではなく、設備が素晴らしいとかそんなんばっかりなので、それも作品に引き込まれない要因だと思います。作品の中身を伝えたいなら、「50インチ」の「プラズマディスプレー」が「96台」などと書く必要はないと思います。たぶん作った人たち以外には作品が意味不明すぎてそう書くしかなかったんだろうけど。これも当たり障りのないことをしようとする「企業館」と、鬼才と言われる類の「クリエイター」との非コラボレーションが生んだ不幸なのかもしれません。

 「天地が逆転した空間」とパンフレットには書いてあったが、まさか、そう「思わないと」だめなんて・・・これ見るまで全然気づきませんでした。パンフレットも自分でとるしかないですから、予備知識なしで観た人はそうとうビックリしたでしょう。

 一回だけ見るつもりなら、準備をして見に行きましょう。でないと、後悔しか残りません。ファンなら準備するだろうけど。
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初めまして。
「めざめの方舟」を調べていてたどりつきました。
今日、初めて万博に行き、いわゆるメジヤーっぽいパビリオンの中で唯一みることができたのが「めざめ」だったからです。

押井監督さんの名前しか知らず、飛び込みで、しかもパンフレットは入った後に手にとることができたので、かなり「これ、ナニ?」と思っていたのです。
ただ何かしら感じる部分はあり、これはあんまり一般の方には監督さんの意図は通じないんじゃないのかしら、とぼんやり思っていたところでした(実際いっしょに行った友人は「あれ、結局何が言いたいの?」とこぼしていましたし)。

こちらさんの話を含めいくつかのサイトさんを回って納得しました。

監督さんの目指しているテーマがテーマなだけに、ちょっともったいないパビリオンだったなと思います。

2005.07.28 22:45 URL | にお #Xb9H9fJg [ 編集 ]













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