死ななきゃOK

死んだ方がいい、死にたくない、いろいろあるかもしれんけど、とりあえず、死ななきゃOK。っていつも言えたらなぁ・・・

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2008.11.03 23:59

 YahooのトップページのYahoo動画の宣伝に『009-1』が出てました。うわぁ、こんなマニアックなの出るのかと思ったけど、石ノ森章太郎ものってことでね・・・なるほどそれなら納得。

 この、009-1(ゼロゼロナインワン)は以前(4話5話12話)にも紹介したんですが、石ノ森章太郎原作のサイボーグ女スパイものの青年マンガ『009ノ1(ぜろぜろくのいち)』を原作に持つ深夜アニメで、1クール(12話)で終了したんですが、結構出来が良かったんですよ。ハッキリ言ってしまうと、原作以上(原作がね・・・・ワケありなの)

 その、009-1を3話無料で見られるということで、久々に見てみたんですけどね、やっぱり楽しいですねぇ、これ。人物の描写が、今時のオタクにしか受けないアニメに多い「キャラ」化してるんじゃなくて、一人の「人間」として存在している感じがすごくいいですね。

 なぬ? よくわからない?

 う~ん・・・・たとえば、無料視聴できる第3話「ハードボイルド」のシーン。
 主人公009-1の直属のボス(ナンバーゼロ)はサングラスを掛けてるワケなんですが、指令を受けた009-1が男を虜にする道具でもあるボッキュッボボボボンの巨尻をふりながら自分の部屋から出ていくとき、その尻を見つめてる感じでサングラスにそれが映るシーンがありますが、あれは単にスケベ心だけで尻を見ているだけではなく、009-1のセクシーな巨尻(?)をアピールするだけでもなく、「この尻はそそるが手は出さない、自分の命が大事だから」という、ボスの想い(=009-1の恐ろしさと「強さ」の秘密)が隠されているように思います。

 そんなの当たり前じゃんと思われるかもしれませんが、009-1はおっぱいバルカンを搭載(←本当)してるから怖い、というそんな単純な理由じゃないですよ? 009-1は、たとえ上司であっても、殺す人間は殺すという、一見冷酷にも思えるポリシーを持っているからです。それは、あれですよ、好きで女スパイやってるわけじゃないからですよ。だから、権力をふりかざして抱こうとする男は、たとえ上司でも殺す。009-1はそういう女。

 それは回を追うごとに明らかにされていくのですが、その生い立ちもそうですけど、女なのに肉体を戦闘用に改造されて、武器としての体と女としてのカラダを利用して情報を得たり相手を殺したりして、そんなんで幸せを感じる女なんてそういませんからね。まして、本来はやさしい心を持ってるのにそれを押し殺してるわけですからね。
 だから、「殺す」ということの意味をあえて考えないようにしてるんですよね。殺すと決めたら確実に殺す。そこに感情を挟まないようにしてるんです。

 そういう意味で完璧なプロのエージェントです。しかし、だからこそ恐ろしいですよね、お金をもらえる「仕事」として殺しを割りきっているのとは違って、自分という存在を守るために殺すわけですから。自分が生き延びること(その理由もある)以上に優先されるものはなく、そういうものがあることをボスは知ってるんですよ。だから、誰よりも任務遂行率が高く信頼できる・・・・・死ねない人間の強さを知ってるからですよね。それを利用している立場だからこそ、「そそる尻」であっても、手を出さないし、出せない。
 009-1の声をあてた釈由美子がこういうところわかって演技しているかは不明ですが・・・・女だからきっとわかるでしょう、たぶん・・・「女のコ」なところが多い人だからどうだろうなぁ・・・・・。まぁ、女の側はそんなのわからずでもいいんですがね。

 話は飛びましたが、とくにこの3話なんか、その女の苦しみをわからんちんの、男の流儀にこだわるハードボイルド(固ゆで)エッグとのやりとりは、非常に女らしさが出ていてよかったですね。もちろん、一般的な女らしさではないんですが、男のいいところを知って入るんだけどやたらカッコつける男を小馬鹿にする女らしさです。理想より現実がなによりも大事な。石ノ森正太郎特有の「アイデンティティの揺れ」が女版だとさらにこうなるみたいな。

 だから、第3話の最後のセリフは強烈です。

 「サヨナラ……ベッドではハードボイルドだったわよ」

 女ってこええええっ!!

 っていう作品です。ね? 今時のオタク向けアニメにないでしょ? 男に都合のいい女ばっかの。だから、大人向けです。けっして、冷戦がずっと続く社会っていう設定だからとか、女性同士のベッドシーンがあるからとかじゃないんですよ。

 このお話(たしかセリフも)は原作にも載ってましたけど、女性脚本家のせいか、原作より女らしさが出ていてよかったですね。男だと「流儀にこだわるから男はいい仕事が出来る」っていう信念というか願望があるんですが、女性の社会進出の影響でしょうかね? そういうのなくてもいい仕事は出来るんだよ! という静かな怒りが込められているようにも感じました。実際にそうかはわかりませんが。
 男脚本だったら、この回の009-1の冷酷さはもっと薄まっていたでしょう。そういうことを考えた上での人選かもしれない、と思いました。

 この前に「今夜はどちらかにとって最後の夜だ……楽しもうぜ」と、セックスがうまけりゃ女は満足すると思ってる男のセリフがあるんですけど、この辺りもリアルですね。伏線と言えば伏線です。こんなんで009-1の心の苦しみなんかわかるはずもないし、理解する気もない・・・・・当然のことながら、女として満たされないのにねぇ。男ってバカよね。

 

 このアニメ、原作より出来がいいとさっき言いましたけど、いや、原作も全部読んでないからアレですけど、私の読んだ中での原作はなんか、実験作的な部分もあったんですよね。
 石ノ森章太郎の初の青年誌作品だから、彼なりの計算と苦心があってのことだと思うんですが、このアニメだとジャズ的な岩崎琢のBGMと現代のアニメ技術が相まってハイスピードアクションが凄く格好良く描けていたり、原作では大ゴマを使ったモノローグも、オーソドックスに、でも染みいるように描いているんですよね。

 特にアクションシーンは「アニメならでは」の動き(つまり、実写で真似してもウソくさくなる)はなかなかのものです。アクションシーンがスピーディーなのはきっと、元の絵が古いから、それを感じさせないように「演出」したんじゃないかな?と思います。もちろん、サイボーグゆえの運動性能を描写する理由もあったんでしょうが。
 ちょっと尻がでかすぎて構えのポーズが不格好なのがあれですが、そう気になるほどではありません。

 それよりなにより、このアニメ版が原作よりいい出来な理由は、原作の単なる「アレンジ」に終わらずに、原作のそういった「事情」を加味して、原作の魅力を損なわずに、石ノ森がやりたかった、伝えたかったことを理解して、膨らませているからでしょう。それは、キカイダーやら009やら石ノ森作品によく関わってきた監督の、紺野直幸だからってことじゃないのかなぁ? と思います。個人的感想はね。

 これで人気が再燃して続編出たりするのかな?

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