死ななきゃOK

死んだ方がいい、死にたくない、いろいろあるかもしれんけど、とりあえず、死ななきゃOK。っていつも言えたらなぁ・・・

2012.08.22 22:20
 金曜ロードショーで『となりのトトロ』観ましたよ。初見です。

 いいですね、あの、「バルス!」って叫ぶところ。
 ツイートが凄いことになってましたよね(←それは「ラピュタ」だ)

 ・・・さて、そんな冗談はさておき、トトロ。色々とビックリしましたよ。


 ・万博公園にある「サツキとメイの家」は外見は同じだが雰囲気は別物
 ・トトロのシーンが想像以上に少ない
 ・短い
 ・大きな盛り上がりが一切ない
 ・大してドラマチックでもない
 ・「トトロは死神」説でもなんでもない

 とまぁ、なんだ評価がボロクソじゃねーかと言われそうですけれど、正直な感想でして。

 だから「つまらない」というわけでもなく、むしろ「おもしろい」し、「何度観ても飽きない」理由がわかるな、という気がしましたよ。それだけに、ドラマ作りに何が必要なのか考えさせられる作品だな、とも思いました。


 まぁ、サツキとメイの家の印象の違いは「まっくろくろすけ」がいる家からアニメは始まるので、そのインパクトが強くて、よく作り込んであるんだけど、「アニメの世界を愉しむ」という意味でのワクワク感はあっても、「まっくろくろすけ的な」何かがいそうな感じではない。というか、周囲も「トトロ」を観てない限り、トトロが出てくるような雰囲気がまるでない(公園だから仕方ないが)。

 聞けばこの建物の設定は1年後で、母親と暮らしている設定らしいのでそれはそれで印象が違って当然かもしれないが、周囲の環境があまりにもアニメと違っていたので、家を見てから映画を観た人間にとっては「劣化コピー!?」と正直思ってしまった。
 そこがアニメとリアルとの違いで難しいところなのだが(リアルにしたら虫だらけで大変だ)、いろんな事情を踏まえて「リアル」を優先した造りだったんだなぁと思う。

 んで、この建物を調べてみたら、聞けば計画者は宮崎駿の息子、宮崎吾郎だそうで、ランドスケープアーキテクトであり、ジブリの森を作った現実家で(ゲド戦記を作ったことはスルーしておくとして)、ジブリの森を作る時も父親である宮崎駿と「理想」と「現実」でバトったらしい。

 超一流になればなるほど現実よりも「理想論」を具現化したいと思うもの。まぁ、そんなだから、宮崎吾郎は超一流の監督にはなれないんだろうなぁ、かわいそうにと思うが、それが人として不幸とは限らないけれども。
 おそらくだが、宮崎駿は鈴木敏夫というプロデューサーがいなければ不幸な芸術家で終わっていたかもしれないので、そこは非常に難しいところなのだが、私個人の感情として言えば、大多数の人はサツキとメイの家で満足するだろうが、作品の質に徹底的にこだわる人なら、満足しないかもなぁと思ったりする。まぁ、見果てぬ夢を追いかけつづける夢想家ぐらいじゃないと、本当に凄くいいものなんて創れないと思うが。一種の狂気やね。

 「かわいいトトロ」のシーンがビックリするほど少ないのは、いわゆる『富野ガンダム』の戦闘シーンでも同じだけれど、ファンが思ってるほど作り手はそこを重視していないということだろう。
 数字が稼げるのは知ってても、媚びない。媚びたら、本当にいいものなんてできない、という信念がそこにある気がする。それはあくまでも推測だが。出しすぎても物語がぼやけてしまうからね。


 トトロが短いのは、『火垂るの墓』との同時上映のため、両中編だったらしい。
 「えっ、これで終わり??」と思ったけれど、変に長引かせない方がよいのかもしれない。テーマが素朴なだけに。まぁ、大きな盛り上がりもそうあるわけでもなく、素朴すぎて興行収入が振るわなかったそうだが、素朴だからこそ、何度観ても飽きないのかもしれない。普遍的というか。

 そういった意味で、「企業的な常識」から行くとちっとも稼げなさそうなコンテンツと思われたのは確かだろうが、そういう目で見る人たちって、「目の前」のことしか見えてないことが往々にしてあるので、皮肉なことに、「子供にしか見えない」トトロや猫バスが、この物語の本質かもしれない。

 この物語は、ノスタルジックな昭和中期で、大人たちが「目に見えないけれどもそこにいるもの」に対して敬虔な気持ちを持っていることが、草壁家の父親しかり、婆ちゃんしかりの言動から見て取れる。

 子供心を大事にしよう、というファンタジーは素敵だね的な発想ではない

 目には見えないけれども、見えるのだ。

 だからこそ、猫バスで病院までいった二人がトウコロモシを置いていったのも、「そういうことがあるかもしれない」という、目には見えないけれども、「想い」が届く・・・的なものが、「実はサツキとメイはその時死んでいた」説にはないから、ちょい無理があるよなぁ、と思ったり。


 一番感じたことは、とても、感情ベースで作られた作品だな、ということ。理屈っぽいところが一切ない。

 だから、特に女性や子供に人気があるんだろうね。


 映画って、感情を動かすものなんだなって改めて思いましたよ。

(当日に観て書いてあったんですが公開してなかったので公開しました)
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