死ななきゃOK

死んだ方がいい、死にたくない、いろいろあるかもしれんけど、とりあえず、死ななきゃOK。っていつも言えたらなぁ・・・

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2007.07.13 23:38

 昼のワイドショー、『ワイド!スクランブル』を見ていると、こんなのが出ていた。

 「主人在宅ストレス症候群」

 その名の通り、主人(もちろん結婚男性)が家にいることで主婦(妻)がストレスをため、頭痛・腰痛・めまい・鬱などの主に精神的なものから来る疾患に苛まれる病気で、なんでも黒川医師という人が命名したらしい。メディカルトリビューン『あなたの健康百科』にも載ってるぐらいでビックリだ。

 まぁ、こうやって文字にするとすでに「人」と「婦」だからこういうことが起こっても不思議ではないのだけれど(現代の感覚ではね)、50年前だったらあり得ない(あってももみ消された)状況という意味で感慨深いものかもしれない。
 「亭主元気で留守がいい」「粗大ゴミ」「濡れ落ち葉」と言われるならまだしも、文字どおりダンナの存在自体がストレッサー(ストレスの原因)になるという、ある意味とんでもない病気だ。

 番組では、定年退職した夫に「誰のおかげで今までやってこれたと思ってんだ」と言われたり、買い物にいって車で待ってたら「何時間待たすんだ!」と怒鳴られたりすることで、頭痛がしたりするらしい(反論したくても出来ない性格だから余計いけない)。
 番組では扱ってなかったが、こう言った男の側はきっとこういう女を「弱いんだよ」と切り捨てるだろうしね。だからうまくいかないんだけど。

 私には全然こういう男の気持ちがわからんのだが(そうなる心理自体はわかるのだが)、世の中には結構こういう人が多いらしくて、共働きなのにやたら「食わせてやるのが男の勤め」とか思ってたり、「女は男を立てるべき」と要求する男なんてそこら中にいる。もちろんそれはある部分では正しいのかもしれないが、それを「要求」するのはまちがってる、絶対。

 そもそも、その、亭主関白ってものは、ちゃんと「亭主」らしくしてればわざわざすることではないのである

 亭主がちゃんとその名の通り「亭(いえ)」の「主(あるじ)」、すなわちその家の絶対的責任者であり、茶道でも「亭主」といえばもてなす仕事をする茶会の主人(女も含む)を指すわけだから、ちゃんと「亭主の仕事」をしていれば、妻もそれを認め、亭主を立てたり、稼いでもらっていることにも感謝できたりするわけだ。
 なのに、金を入れてるだけで亭主面して、家のこと(家事・育児)については思想面での影響すら与えないという意味で、それは「主」としての勤めをそもそも果たしていないと私には思える。お客が来て茶を持ってくるのが妻の勤めだというだけならできる。でも、なぜそれが大切なのだとどれだけの夫が妻教育をしてきただろうか。「当たり前」じゃなくて「礼儀作法」として。

 その亭主関白のルーツである武士の家庭では、一家の主である武士が、子供や妻に武士の妻子として相応しい生活・生き様・死に様をきちんと伝えたという。だから、「一族郎党」処刑なんてのが起こっても、甘んじて受け入れるように「妻教育」していたり、なにかことがあれば家族で自刃したりもしたわけだ。
 それが現代、定年だからってゴロゴロテレビ見ているだけの人に、食わしてきてやったんだから・・・と「妻教育」されたところで聞きたくないどころかストレスになってしまうのは当然のことだろう。誰だって、テレビ見てるだけの人に説教たれられたくない。
  たとえ外でどんな大変だろうと、見えないから余計だ。

 その武士のシステムを明治維新時に「戸籍法※」をもって全国民に適用した前時代的な家父長制度なんてのは、遺産相続が均等分配になった時点で完全に終結しているはずなのだけれども、それは建前上なだけで、慣習にしばられやすい地域・家庭などではその影響を今も色濃く残しているようだ。
 ※ちなみに戸籍法がある国のほうが珍しい。当然か。

 個人的にはこういうのをバッカじゃねーの?ヘンなの、と思ったりもするのだが、それはそういう家庭に育っているからであり、そうじゃない家庭で育てばこうもなるのだろう。人間、自分の近くの家庭を見てから自分の家庭を作っていくからね。良くも悪くも参照していくのだ。特に男は母親になんでもしてもらってる「居心地の良さ」を、妻で再現しようとすることが実に多い。これはいわゆる「一人では何も出来ない男」によく見られる傾向とも言えよう。

 

 番組では、こんなシーンがあった。「ご主人は自分が悪影響を与えてると気付いていないんですか?」という質問に、その主人在宅ストレス症候群の妻が「テレビでそういうのを見ていても『バカじゃねーの』と言ってるぐらいだから、自分には関係ないと思っている」と自虐的に語っているシーン。

 それを受けて、男性コメンテーターが「定年するまで必死になって働いたの、なんでそれをわかんないのかねぇ(=妻なら理解しろよ)」と言っていたのを、(たぶん)共働きで家事もしているであろう女性キャスターが苦々しい顔していて聞いていたのが印象的だった(当然、「もちろん感謝はしてるんですよ」とアナウンサーはフォローする。司会者である大和田獏も)。まさに、目の前にそういう、妻の痛みがこれっぽっちもわからない夫がいるというのは皮肉な現実でもあった。

 それにしても、しかしそこはさすがにお昼の番組で、隣の別の男性コメンテーターが自分も家族に疎んじられるようになるのかなぁと言い、「叩かれ役」を引き受けることでその場の雰囲気を和ませたが、結局最初に「ストレッサー」になりそうな男性コメンテーターは全然自分は無関係だという顔をしていたのが印象的だった。言葉は悪いが「家父長制原理主義者」とでも言おうか。妻は夫を察してやるのが仕事だ、という感じ。そりゃそうなんだろうけど、自分で言っちゃダメ・・・・この男性は「ウチの妻は別だよ。だって文句言わないもん」って思ってるんだろうけど、まさにこういう発想があるから、テレビで同じような人が出ても他人事と思うのだろう。言わないのか、言えないのか、わかってないとね。
 夫として妻を愛してるという自信があるからこう思えるんだろうけど、こんなんじゃきっと電話苦情とか多いんだろうなぁ。自信に足をすくわれるのよね、人間。

 そういう意味でも、この問題の解決ってのは深刻なんだろうな、とも思った。20代ならまだしも、もう、人生の大半を生きてきた人にとって自分の価値観を変えるって相当難しいからねぇ。しかも富や名声がある人は特にね。いいいサンプルでした。

 

 こういう事が起こると、気の強い女性(男性も)なら「言い返せばいいじゃない」ということにもなろうが、それが出来ない人がなりやすくて、そういう、よく言えば「人の気をつかうタイプ」の女性らしい女性が、本来そういう女性を守るべき「男らしい男」によって抑圧されている、というのが「主人在宅ストレス症候群」の現実なのだろう。

 端的に言えば、男はすぐ大和撫子(やまとなでしこ)を求めるけれど、そういう男に限ってそういう女を守ろうとしない、というのが現代なのかもしれない。DVもそうよね。
 強く言えない若い女の人はこう言う人と結婚するのはやめた方がいいですよ。

 

 だいたい、「亭主関白」って言うけれど、「関白」って一応政治システム(公家)の最高責任者って意味だからねぇ、金さえ稼げばいいなんて、関白=偉いという低次元の理解しかしてないって事だからね! 「麻呂(まろ)は偉いから贅沢するでおじゃる~」っていつも言ってるわけないでしょ! みんなそんなんだったらすぐ戦争だよ。
 まぁ、「強く出たいからせめて・・・」っての本音だろうけどね、出られないから家庭がうまくいってるって部分も多大にあるからねぇ。我慢してるのは男だけじゃないから。だから、我慢しないで妻にだけ当たる夫がいる家庭は、「主人在宅ストレス症候群」になるんだろうねぇ。

 ちなみに「全国亭主関白協会」というのがあって、そのトップページには、こんな「主人在宅ストレス症候群」のストレッサーになりたくない亭主たちが、あるべき(妻に優しい)亭主としての心得が書かれている。建前としては「亭主関白」なんだけど・・・という意味で、「関白」の代名詞豊臣秀吉とその妻おねや、天皇との関係をトレースしているようで面白い。

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