伊丹十三監督『あげまん』観ました。
伊丹監督作品は・・・・あれですね、ラーメンウエスタンこと『タンポポ』以来ですね、観るの。しかもあのタンポポは、NYで、9.11のあった次の日にNY在住の人に勧められて観た「英語字幕」のビデオでした。懐かしい。
さて、そんな個人的感傷はさておき、「あげまん」ですよ、奥さん。
間違っても揚げた饅頭じゃないですよ?
最近流行ってますけど(ズガーン←即死)。
・・・・・(生還)・・・・はい、しかし、時代を感じさせますね、ファッションとか・・・・キャラクターの年齢とか。最初、主演男優が津川雅彦だって気づかなかった私。最近めっきり白髪姿の爺さん役の多い彼ですが、これも早・・・・18年も前ですか。凄いですね。
その間、めっきり「あげまん」という言葉の認知が進んだようですが、どうも、「あげまん」の「まん」は運気を表す「間(まん)」から来てるんだそうで、勉強になります、伊丹監督。
映画の内容ですが、タイトル通り、「あげまん」の女性が活躍するのですが、単なる「あげまん」な女と言うだけでなく、それがゆえに男の権力欲に振り回されちゃったりして、それがリアルかつコミカル。
今どき「あげまん」をめざす女性もいないかと思いきや、(専業主婦というポジションを守るべく)むしろ逆にめざす人もいたりなんかりして、女性の社会進出が進んだのにもかかわらずそういうことに喜びを感じようとする女性がいるのも面白い現象ですが(でも仕事でも・・・という人も多いけど)、そういう女性とこの映画に描かれている「あげまん」、本来の「あげまん」とはちょっと違いますね。
何が違うって、結局、自分が幸せになるために「あげまん」してるのではなく、自分のしていることが結果として自分を「あげまん」たらしめているというのでしょうか? 人間としての芯の強さと、女性特有の人間愛が、必然的に男を「いい方向」へ導く・・・・というようなことが描かれているように思いますが、そんなことを考えずに、ただ観る分にも十分楽しい。
特に、津川演じる鈴木主水(もんど、笑、八木節の鈴木主水?)の、アップダウンが笑える。宮本信子演じるあげまん(七四子、なよこ)によって調子づいた主水は、再び女遊び始めたり、離婚した金持ちの娘(性格最悪)と復縁したり・・・・・とか、男って単純!って感じだけど、それを許してしまうけど、支配はされないという七四子の姿は、まさにあげまんっぽくていいですね。
(印象に残ったセリフ)
(主水は)セカンドマンのタイプです
サードマンはトップを倒して自分がトップになりたがりますが
セカンドマンは上に強い人がいれば安定するし、力も出るんです
(社長の私は?に)社長はサードマンですわ(七四子)
・・・・・伏線でした。
迷ってるってことは やめた方がいいってことですよ(主水)
・・・・・口説き文句です。みなさん見習いましょう
私、幸せになれてないの しっかり抱いて(七四子)
・・・・・狙って言う女性はあげまんじゃありません
ウワサっていうのはその人に似合うから流れるのよ(七四子)
・・・・・あげまんは男をけなしたりしません
父親は娘の寝室が恐いのよ(暎子、資産家の娘で主水の妻)
(以下ネタバレに近いので反転)
楽しかったわ
あなたが私を大事にしてくれたらもっともっと楽しくなれたのにね(七四子)
遅かったわ だって私 もう 治っちゃったんだもん(七四子)
(そんなに政治が面白いの?という七四子に)
人間にとって、人間を自由にするくらい面白いことはないのさ(多聞院)
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